「合気道はなぜ強いのか?」から考える武術論(その11)
示現流の必殺の剣は、胴体ごと斬る勢いでの極限の太刀使いだった。
先述の「山田編集長のアマチュア中国武術チームが本場ムエタイで善戦」の勝因は攻脈線を取ること、そして極限の突きの2つにあったと考える。
昔、格闘技の鬼、黒崎健時氏は「今は全力でパンチを打てる奴がいない。君は一回打って、その場にへたりこんでしまうようなパンチを打てるか?」と問うていた。山田編集長は実戦武術の本質はこれだ!と、チームでヘビーサンドバッグ打ちに励んだ。
最初のうちは全力で打つ体の使い方が分からないので迫力はない。また限界値を自分で決めてしまっていることが多かったが、ヘビーサンドバッグを壁まで飛ばすを目標に競うと筋力ではなく身体全体のパンチへと変わっていった。
毎日キックボクサーが蹴ったり叩いたりしてもびくともしないサンドバッグを、週一稽古の彼らが吊るしたヒモを何度もちぎった。傍で見ていたキック選手があっけに取られていたというその威力の種明かしをすると…
中国武術の突きはボクシングなどより踏み込む足が深いのだ。
要するに相手と接近した位置からパンチを全身の力で押し込む。
サンドバッグに体当たりしたら誰でもふっとばすことができる。
それを拳で行う感覚である。
ボクシングの表面にインパクトを与える打ち方でなく、押すようなパンチ。
その押し方が徹底され、洗練されて強い突きが生まれたというわけだ。
タイでの試合時、「打ち合えば必ず勝てる」との信念でみな前に出た結果が、本場ムエタイと善戦できた理由だった。
無門会空手の突き、蹴り
この動画を見てほしい。
身体全体を駆使しての突き、蹴りとはこのようなものである。
無門会空手の大きなテーマである極限の突き、蹴り、これはまさに必殺の剣だ。軸理論やYT理論が加わり、会員達はより精緻な身体操作を目指し稽古に励んでいる。(続く)
参照や引用「合気道と中国武術はなぜ強いのか?(山田英司)」
動画引用「攻撃技・受即攻の紹介(無門会空手福岡本部、Youtube動画、)」
整理されたり考えたことを書いていくが、あくまで金子の咀嚼、編集であることご容赦
Comments